構音障害(言葉を正しく明瞭に発音できない)の指導が確立されているのに比べ,言語発達遅滞(ことばの遅れ)は,その原因や症状は様々であり,子どもに対するアプローチのしかたも千差万別だと思います。私はそんなお子さんを何人も担当しているのですが,毎日が試行錯誤の繰り返しです。
来年,就学年齢をむかえる彼は,喃語や若干の言葉の模倣はありますが,自発的な意味のある言葉は,全くといっていいほどありません。両親は共に外国人なのですが,その言葉も日本語もどちらも解さないのです。「う」・「さ」・「ぎ」と単音は,模倣できるのですが,「うさぎ」と言うと返ってくるのは,「◎※☆」といった状態です。
その彼と,今日は「ぐらぐらゲーム」というのをやって指導しました遊びました。サイコロを振って,出た色の人形を,同じ色の階に乗せるというゲームです。簡単そうに見えて,これが結構むずかしいのです。
まず,赤の目が出たので,「あか!」と言うと,何と「あか」と返ってきました。「青」も同様に上手に模倣できました。すばらしい!驚きです。しかし,「白」と「緑」はうまく真似できませんでした…。その後,お母さんの前でも,人形を指し示すと,同じように「あか」と答えてくれました。するとお母さん,すかさす赤のクーピーを取り出して「これは?」。いや,お母さん,それはまだ早いですよ…。
こんなふうにおもちゃばかりに頼って?いると,ふと,「俺は,いったい何をやっているんだろう???」という思いにとらわれます。給料もらっているのに遊んでばかりというわけにはいかないし…。しかし,遊びを通してまずは,人間関係をつくり,その上で,遊びの中から「ことば」が生まれてくれば,…といったふうに思っています。
最初は,硬かった彼らの表情が,回を重ねるごとに和らいできて(きっと私もそうなのでしょうが),かわいく思えてくる。指導というのは,やはりその先にあるものなのかもしれません。
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